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ソーシャルグッドにおけるVR活用: 慈善活動に喜びを

仮想現実(VR)技術と聞いてほとんどの人が真っ先に思い浮かべるのは、おそらく娯楽やゲームのことでしょう。しかしVR技術は、非営利組織がソーシャルグッドのために利用する新たなツールでもあるのです。

ソーシャルグッドにおけるVR活用

VR技術を使うと、他者の身になって考え、自分たちの視線で世間を見、自分たちの文化や独自性を追究できます。従来の映画プロジェクトもさることながら、VRプロジェクトは視聴者の共感を高め、多様なコミュニティの間で強い絆を作るのに役立てることができるのです。そして非営利組織にとってVRプロジェクトは意識を高め、サポーターを自分たちの理念に近づける一助となり得るのです。

私たちは非営利組織のためのVR映像をタンザニアでInsta360 Pro 2を使って撮影した映像作家にインタビューしました。タンザニアでの撮影に対する見識とソーシャルグッドのためにVRを使う可能性の高まりについて、以下の記事をお読みください。

1. ご自身とAllary Film, TV and Media社について簡単にご紹介いただけますか?

私はMathias Allary(マチアス・アラリー)といいます。ドイツのミュンヘンにある独立系映画制作会社Allary Film, TV & Mediaで専務取締役をしています。

私たちはクライアントが長編映画、ドキュメンタリー、教育映画、コマーシャル、企業映像を実現するお手伝いをしています。私はヨーロッパでもっとも総合的なオンライン映画学校であるwww.movie-college.deの映画部門およびテレビ部門の教授であり、編集者でもあります。私は映画に関連するあらゆる種類の技術革新に興味を持っていることもあって、2015年にVR映画制作に携わることになりました。

2. なぜタンザニアをVRで撮影することにしたのですか?

VRでタンザニアを撮影するアイデアは、PATRIZIA Children Foundation(パトリツィア子供財団)から生まれました。パトリツィア子供財団は、世界中で質の高い教育へのアクセスを提供するために、学校や養護施設の建設を支援するNGOです。

タンザニアの人口の大部分、特に農村地域は、極度の貧困の中で生活しています。その影響でもっとも苦しんでいるのは子供たちです。このNGOはタンザニアのペラミホにある学校と小児病院、そして同じタンザニアのソンゲアにある孤児院を支援しています。

ソーシャルグッドにおけるVR活用

同財団は私たちの助けを借りて、財団のサポーターをこれらの施設へ仮想旅行に連れて行きたいと考えました。彼らは、VR体験を通して財団のサポーターと弊社の従業員が、財団がタンザニアで実現した大きな成功を知ることができれば、と思ったのです。

彼らが弊社を訪れたのは、私たちにはVRの豊富な経験があることを知ったからです。同財団の運営費およびタンザニアでのVR撮影の資金は、同じパトリツィアという名前のPatrizia-Immobilien AG(パトリツィア不動産株式会社)が援助している点が、他の多くの財団との大きな違いです。

3. タンザニアの地域社会での撮影はどのようなものでしたか?

タンザニア南西部の奥地、正確に言うとペラミホとソンゲアでの映画撮影はただ事ではありませんが、VRで撮影するとなるとさらに難しくなります。

孤児院や小児病院、女子校などのデリケートな場所で撮影する場合にとても大切なことは、人々の信頼を得ることです。ソンゲアとペラミホには、基礎的な信頼関係の構築とコミュニティの現場での撮影を助けてくれた大勢の素晴らしい人々がいました。

私たちの映画の中での「動き」は、主に子供、教師、患者、医師の日常生活に由来したものです。私たちは人々の日常生活をできるだけ忠実に、そしてあまりに多くのテクノロジーで怖がらせることなく、見せることに重点を置いて取り組みました。

ソーシャルグッドにおけるVR活用

そのため撮影チームは、娘のLucy Allary(ルーシー・アラリー)(アシスタントディレクター)、Amandine Torikian-Tomassian(アマンディーヌ・トリキアン−トマシアン)(サウンドエンジニア、写真家)、そして私のたった3人で構成されました。タンザニアでミニチームとして撮影する際はできるだけ柔軟に対応したかったので、すべての機材は可搬でなければなりませんでした。つまり、あらゆる機器とアクセサリは最大限にコンパクトかつ軽量にする必要があったのです。

Insta360 Pro 2は軽量で、このプロジェクトにおいてタンザニアのあちこちへ難なく持ち運べました。

私は長年に渡って他のVRカメラとそのワークフローを徹底的に調査してきました。他のVRカメラはInsta360 Pro 2よりも撮影解像度が低く、またワークフローでの要求が厳しいものが多いです。

Insta360 Pro 2には、特にカメラの解像度、サイズ、デザイン、ダイナミックレンジの点で非常に満足しています。深圳のInsta360チームも非常に頼り甲斐があり親切でした。

4. アフリカで小さなチームを組んで撮影しようとしている映像作家に対して何かヒントはありますか?

小さなチームで移動する場合、最適化されうまく構成されたバックパックは撮影機材と同じくらい重要です。私たちは結束バンド、レンズクリーニングティッシュ、メモリカード、microSDカードアダプターなどの小さなツールも、Sachtler(ザハトラー)の三脚、Aputure(アプチャー)の照明、8チャンネルサウンドレコーダー、Rode(ロード)のアンビソニックマイク、レフ板、 Manfrotto(マンフロット)の ナノライトスタンドのような大きな道具も持ち歩いたのです。

私たちは常にバッテリーを充電する必要があったので、デュアルバッテリー充電器が役に立ちました。一方のバッテリーが満充電になるともう一方の充電を開始するからです。モバイルバッテリーもその場で充電するのに便利でした。ソーラー充電器はいざという時に役立つかもしれません。

VR タンザニア

その一方で、温度の問題があります。ほどほどの気温でもVRカメラは長時間撮影するとかなり熱くなります。そのため直射日光の下にカメラを設置することは、熱の影響が著しく増大するため、避けるべきです。カメラに異常な兆候がないか常に警戒し、可能な場合はカメラの電源を落としてください。またできれば保管する場合も同様に、カメラとバッテリーは風通しの良い涼しい場所に保管してください。

また、VRテクノロジーに慣れていないかもしれないコミュニティをどのように撮影し交流するかについても考える必要があります。Insta360 Pro 2のようなVRカメラは非常に未来的な形をしているので、その目的を説明するのは難しいかもしれません。

私たちはVRグラスを持って行って、コミュニティの生徒、教師、医師、看護師、シスター、そして子供たちがこの新しいメディアに親しんでもらえるようにしました。彼らは、知らない場所を発見してそこの人々と直接のつながりを感じるという、新しい可能性にすっかり魅了されていました。

5. 非営利団体がVRをどのようにソーシャルグッドのために利用できると思いますか?

数え切れないほどの動画を視聴できる世界において、バーチャルリアリティはさまざまな場面や文脈において、より明確かつ忠実に関与する方法を提供します。バーチャルリアリティはとりわけ集中的な方法で人々との感情的な親近感を作り出すのです。

国際的なNGOはアクセスが困難な場所やコミュニティで活動することがよくあります。VRは大きな距離を埋め、慈善活動の寄付する側と受け取る側の間に相手を思う気持ちを生み出すのに役立ちます。

財団からのフィードバックは非常に好意的であり、彼らはVR動画を本当の扉であり心を開くものであると評していました。

寄付する者、クライアント、そして弊社の従業員は、世界中のどこか別の場所と仮想体験を共有し、子供たちに未来を与えるのに財団がどのように役立つかを実際に見るという、素晴らしい機会を喜んで受け入れていました。

Insta360 Pro 2が8K画質でキャプチャするという状況が、パトリツィア子供財団の活動に喜びをもたらしました。財団の活動がどれだけの信頼を生み出し、また多くの子供たちが困難な生活条件からより良い未来へと動き出せる機会を提供したのです。信頼性と感情的なパワーにおいて、VRの右に出る伝達手段はありません。


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